コーラ白書
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当白書には古いオランダのコーラがいくつか登録されている。これはサイト開設間もない頃、あるオランダのコーラ缶コレクターとのトレードで入手したものだ。当時日本語しかなかったサイトにコンタクトしてトレードを申し込むオランダ人の熱意に驚き、そしてダンボールにぎっしり詰められた異国のコーラの缶に心が躍った。

あれから約18年。インターネットは世界はずっと狭くした。通販やオークションで海外のコーラが簡単に入手できるようになり、今やコレクターと直接やり取りする機会はなくなった。代金の郵便小為替をEMSで送っていたのも今は昔、Paypalを使えば即座で世界どこでも送金できる時代だ。

今回オランダへの出張が決まった時も、あまりコーラについては期待していなかった。それはどこかでネットに慣れすぎていたからかもしれない。

Roosendaal = 日根野

約 11時間の飛行を経てアムステルダム・スキポール空港に到着したのは、日曜日の夕方だった。この空港は旅行者の評価が高いことで有名だが、実際に行ってみて納得。全体がコンパクトにまとまっている上、いたるところに掲示板やサインがあって迷うことがない。またショッピングモールやスーパーが併設されているのも面白い。

バゲージクレームで荷物を掴みモールゾーンを抜けると、直ぐにオランダ鉄道のチケットカウンターが見えてくる。

あらかじめアプリで調べておいた旅程を見せてチケットを購入。ホログラムの入った名刺サイズの紙のチケットを受け取る。チケットの中にはICチップが組み込まれていて、駅のリーダーや検札の際に非接触でチェックインできる仕組みだ。

地下のホームに降りると、時間通りに列車がやってきた。座席の指定はないが車両クラスはチケットで指定されている。荷物を引きずりながら大きく「2」と書かれた二等車両の二階に乗り込み、荷物とともにコンパートメントの片側を占領する。

列車は暫く地下を走った後地上に出た。時刻は5時前。既に日が暮れ、車窓には黄昏で青に染まった郊外の風景が流れる。日本に比べるとずいぶん日が短い。

車内のディスプレイには停車駅と到着時間が表示され、不慣れな旅人にも親切だ。でも行き先の駅、出てこないんだよなぁ・・ふと心配になって対面に座っていたカップルに聞いてみると、暫くスマートフォンで調べた後、顔を曇らせて首を振った。

「残念だけどこの列車はその駅には行かないね」

えぇぇ、 マジで!?どこで間違えたんだろう?動揺を隠せない。しかし判断が遅れればどんどん目的地から離れていくのが電車移動の怖いところ。カップル曰く、次の駅で降 りてVlissingen行きの列車に乗れば大丈夫だという。親切な若者にお礼を言って、あわてて次の停車駅で列車を降りた。駅のホームで見送りつつ、ふ と今降りた列車の行き先を見てみると

「Vlissingen」

・・・行くじゃん!

1月のアムステルダムは寒い。とっぷり日が暮れた、底冷えのするホームをクマのように歩き回りながら30分時間をつぶして、ようやく次のVlissingen行き列車に乗り込んだ。

今度の車両ではちゃんと目的駅の到着時刻が表示されている。後で分かったことだが、この列車は途中で車両が切り離され前4両のみがVlissingenに向かう仕様になっている。さっきは切り離される側の車両に乗っていたのが敗因だったようだ。阪和線か!

列車が駅に着いたのは19時を少し回った頃だった。石畳にホイールの音を響かせながら5分ほど歩き、ようやくホテルにチェックイン。少し遅れたが同僚との食事に合流し、再開の祝杯を上げることが出来た。

緑の戦争勃発

三日目。夕方少し時間あったので、ホテルの近くのスーパーマーケット「JUMBO」に行ってみた。

店内は清潔で明るく、余裕のあるつくり。普通にかごに商品を入れてレジに持っていく以外に、ポータブルのバーコードリーダーで商品をスキャンして自動会計することも可能なようだ。進んでるなぁ。

早速飲料コーナーに行ってみると、緑のコーラの巨大なバナーがお出迎え。Coca-Colaの新商品 Coca-Cola lifeがかなりのスペースを割いてプロモーションんされている。まだ発売間もないのか、商品紹介のパンフレットも用意されていた。Life以外にも Coca-Cola, light, Zero, Cherry, Vanillaと幅広いラインナップをそろえている。

一方のペプシ陣営はPEPSI,PEPSI MAXと・・あれ、PEPSI NEXTがいる。NEXTはUSで2013年に発売された低カロリーコーラだがなぜヨーロッパに?と思ってみてみると

With sweetener from stevia plant

おおぉ、ステビア使ってる!どうやらオランダではNEXTは単なる低カロリー品ではなく、Coca-Cola Lifeの対抗品と位置づけられているようだ。

興味深いのはNEXTに青と緑の2種類のパッケージがある点。青はUS品と同じロゴだが、緑には手書き風のフォントが使われている。賞味期限から見るに青か ら緑に切り替わっているようだ。

おそらくCoca-Cola Lifeの対抗するため、PEPSIが急遽ブランドカラーを同じ緑に変更したのだろう。PEPSI TRUEみたいな中途半端な商品で様子見をしているアメリカと違い、ここではPEPSIがガチでケンカ売っているのが面白い。

Coke, PEPSIの2強が棚の主役だが、それ以外のコーラもいくつか並んでいた。まずはこのスーパー「JUMBO」のプライベートブランドコーラ。レギュラーと ダイエット2種類を祖揃え、330ml 缶 がEUR 0.33(約50円)とコカコーラの2/3くらいに価格を抑えてある。またPBではないがローカルメーカーのHighway Cola なるものもあった。

これだけの種類のコーラが揃っているのは、ちょっと羨ましい。

 

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